社労士の歴史(2)戦後、社会保障制度の拡大充実と社会保険士の誕生
戦後間もない昭和20年代前半、社会保障制度が急速に充実していったと言われています。
ひとつ前の記事で同じ時期に、「労働者の権利は法律によって守られるようになりました」と書いたのと全く同時期ですね。
>> 社労士の歴史(1)戦後、労働者権利保護の法制化と労務管理士の誕生
労働者の権利が確立されたのと同時に、社会保障制度が充実していったのも当たり前といえば、当たり前の話なのかもしれません。
このあたりは、私はまだ生まれていませんから自信はありませんm(__)m。
社会保障は厚生省、労働者の福祉は労働省、でした
この頃、社会保障を扱う「厚生省」と、労働者の福祉と職業の確保を図る「労働省」とは、別の省庁でした。
現在のように、この二つの省庁が一緒になり「厚生労働省」となるのは、2001年まで待たなければいけません。
意外と最近の話なのです。
社労士50年の歴史の中で、30年以上管轄官庁が分かれていたのですね。
2001年(平成13年)1月の中央省庁再編により、厚生省と労働省を廃止・統合して「厚生労働省」が誕生しました。
現在の厚生労働省(厚労省)の政策分野は、社労士の担当分野を網羅しています。
- 健康・医療
- 子ども・子育て
- 福祉・介護
- 雇用・労働
- 年金
最初から一緒なら良かったのに・・・と思ったら、最初は一緒でした
実はこの「厚生省」と「労働省」、もともとはひとつでした。
と言うより、労働省は厚生省から分離してできたものでした。
- 1938年(昭和13年)1月:内務省から衛生局と社会局が分離され、厚生省を設置
- 1947年(昭和22年)9月:厚生省から労働行政部門が分離され、労働省を設置
- 2001年(平成13年)1月:厚生省と労働省とを統合、厚生労働省が誕生しました
最初から一緒だったら、歴史はどうなっていたんでしょうね。
それでも「労務管理士」と「社会保険士」は、別々に誕生していたのでしょうか。
高度経済成長と労務管理士と社会保険士と
その後、昭和36年には国民皆保険、国民皆年金が成立しました。
さらに1960年代から1970年代の高度経済成長の中で、日本経済は急激に成長します。
賃金はうなぎのぼり、税収や企業からの社会保険料も増加の一途です。
労災保険・雇用保険などの労働保険も、どんどん発展していきました。
厚生年金・健康保険などの社会保険も、どんどん拡充されました。
この頃は法律上、書類の代行などは「行政書士」が担当していました。
しかし、労働・社会保険の仕組みや申請・給付に係る事務手続きは、専門的な知識が必要です。
内容も難しく、手間もかかります。
制度もどんどん複雑になっていきます。
業務を請け負ってもらえる「専門家」へのニーズが高まりました。
そして、「労務管理士」が誕生しました。
そして、「社会保険士」が誕生しました。
そして昭和43年(1968年)社会保険労務士法が制定されました
そして、「社会保険労務士」が誕生しました。
昭和43年(1968年)、社会保険労務士法が議員立法により制定されました。
制度発足時の経過措置として、行政書士が試験なく特認として社会保険労務士資格を取得しました。
およそ9,000名が社会保険労務士となったそうです。
1968年 社会保険労務士法(昭和43年法律第89号)制定
つづく・・・かな?
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