宅建試験は「足切りなし」だから実力で受かる。社労士試験と比較して
宅建試験の合格ラインは、50問のマークシートのうち、およそ35問前後、すなわち約7割正解すればOKです。
ぶっちゃけ言うと、合格ラインだけを比べれば、社労士試験も同じようなものです。
しかし両者には、決定的な違いがあります。
宅建試験には、科目別の足切りがない
宅建試験は4科目から出題されますが、科目別の足切りはありません。
この「足切り」とは、総合点数での合格ラインとは別に、科目別で設けられている「最低ライン」のことです。
社会保険労務士試験だけではなく、行政書士試験にも設けられています。
この「足切り」の非情さは、切られた者にしか分からない
はい。
切られ続けたひとりです。
私は3回目の挑戦で社労士試験に合格することができましたが、はっきり言って、
「タイミングが合った」
だけのことです。
「運」という言葉は、使いたくありません。
資格試験というものは、ある程度の時間をかけさえすれば、だれでも合格ラインに達することができます。
- 試験範囲が決まっているから
- 出題傾向が固まっているから
合格ラインに達することと合格することは、別のものです。
学生時代を思い出してみてください。テストっと、まんべんなく正解していましたか?
大学受験のとき、共通一次試験やセンター試験を受けられた方も多いでしょう。
どの科目も、同じような点数でしたか?
ひとつの科目の試験でもいいです。
設問があって、それに続くいくつかの小問があったと思います。
設問とは、「以下の文章を読んで次の問いに答えなさい」ってやつ。
次の問い、ということで小問がいくつか続きます。
すべての設問で、何個かずつは必ず正解できていましたか?
ある設問では全滅でも、別の設問で全問正解して、総合点を稼いでいませんでしたか?
社労士試験の「選択式」がつらすぎる・・・。5問中3問正解を、8回すべてに繰り返す
社労士試験は、非常に細かく「足切り」が設定されています。
択一式試験は、7科目あって各10問中4問正解すればOKです。
これくらいなら、まあ良しとしましょう。
1科目からバラバラな出題が10問あれば、4割くらいの正解なら何とかなります。
こわいのは、もうひとつの「選択式」試験です。
8科目もあるのに1科目につき各5問しか出題されない。
なのに、5問中3問正解しなければいけません。
しかもひどいときには、ひとつの文章から5問出題されます。
100個の知識のうち、99個知っていても、知らない1個が出題されたらアウトです。
これは極端なたとえでしたね。
5問中3問の正解を、約9割達成できる実力者でも、これを8科目続けなければなりません。
90%×90%×90%×90%×90%×90%×90%×90%× = 43%!
なんと、9割以上合格点を取れる方でも、それを8科目続けられる可能性は、5割を下回ってしまいます。
これはどういうことかというと、「合格できるタイミング」というものが必要になってくるということです。
(社労士試験合格者のひとりとして、「運」という言葉は使いません!)
もちろん、一部で有名な「救済制度」というものもあります。
難易度を調整するために、本来3点以上必要なところを、2点以上(ごくまれに1点以上)を合格とするという制度も、あることにはあります。
しかし、どの科目に救済制度が適用されるかは、合格発表日まで分かりません。
結局、私は社労士試験合格まで3年かかりました。いや、3年で抜けることができました
私の社労士合格までの歩みです。
不合格は、すべて足切によるものです。
- 1年目、ひと通り勉強し、意外と解けたけれども、1点足りず
- 2年目、意欲高く勉強し、絶対の自信でのぞむも、1点足りず
- 3年目、もはや惰性だけ、手ごたえもなかったが、なぜか合格!
1年目のラッキー得点に舞い上がって、少しこの試験を甘く見てしまっていたようです。
完璧に仕上げたつもりでのぞんだ2年目で、この試験の奥の深さに泣きました。
- 知っているところが出題されたら解ける。
- 知らないところから出題されたら運任せ。
そんな当たり前のことに気付いた私は、もはや惰性で試験を受け続けました。
受け続ければいつかは受かるからと、長期戦も覚悟しました。
いつまでも受からないんじゃないかという、不安もありました。
3年で、社労士受験生を卒業できたことは、今思い出してもラッキーでした。
宅建試験は足切りがないのだから、実力があれば受かるはず
宅建試験は、7割にちょっとプラスして36点を取っておけば、ほぼ確実に合格できるでしょう。
もちろん問題が難しい年には合格ラインの点数が低くなり、簡単な年は高くなります。
みんながわからないような難しい問題を、無理に正解する必要はありません。
大勢の人が正解するような簡単な問題を、確実に正解すればいいのです。
結果、7割にちょっとプラスした、36点を取れば合格です。
例えば4科目のひとつである「法令上の制限」が、8問中0点だったとしても大丈夫です。
他を全問正解すれば42点ですから、これでも合格です。
宅建試験は、実力さえつければ合格できます。
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