開業する度胸も実力もない。選んだ「勤務等」登録のメリットデメリット

公開日:  更新日:2019/08/15

社会保険労務士(社労士)は不思議な資格です。

ふつうの国家資格は、試験に合格して、登録要件(実務経験など)を満たせば登録することができます。
これは、社労士だって同じです。

社労士は、登録するときに、「開業」か「勤務等」かを選べます

開業登録は、もちろん社労士として独立開業するための登録です。
みんなのあこがれですね。

でも開業する気はないのに登録することもできます。
それが「勤務等」という登録形態です。

開業する力も覚悟もない私は、当然「勤務等」登録です。

勤めている会社で社労士業務を行うための制度ですね。
実は、別に登録なんかしなくても、社労士業務(社会保険手続きなど)はできるんです。
自分の勤める会社のための手続きなら、社員であれば、だれでもできます。

「登録社労士」が手続きをしている、っていう名前が大切、というところなのでしょうか?

「勤務等」登録のメリット、入会金や年会費が安く済む!

下記は、東京都社会保険労務士会の場合です。
(2018年6月現在)

  • 開業会員   入会金 50,000円 年会費 96,000円
  • 勤務等会員  入会金 30,000円 年会費 42,000円

わーい。
なんてお得なんだ~!

って勘違いしないでください。
登録しなければ、もちろんタダです。

「勤務等」登録のデメリット、何もできないどころか、登録したからできないこともある

「勤務等」登録をしたからといって、何もできることは増えません。
上で書いた通り、自分の会社の手続きなら、社員であればだれでもできることがあります。

それよりも、「できないこと」が増えてしまいます。

たとえば社労士法にいう「3号業務」。
労働コンサルタントなどの相談業務です。

これは社労士の独占業務ではありませんので、本来だれでも行うことができます。

でも「登録社労士」は、社労士業務をで報酬を得るためには、「事務所を構えて、その事務所を登録」しなければなりません。
(これが「開業」登録です。)

この社労士法の規定を厳密に解釈すれば、「勤務等」とはいえ登録した社労士は、開業登録をしない限り、社労士業務で報酬を得てはいけないことになります。
コンサルタントなどの相談業務も、社労士業務のひとつとして定められていますから。

「勤務等」登録にメリットは本当にあるのか?

あります!!

「社労士」になることができます。
「社労士」を名乗るることができます。

そうです。
「私は、社会保険労務士です!」


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